パッチテストの流れ
液体あるいはペースト状の試薬を適量テープに付け、背中または腕に2日間貼る。
2日後、テープを剥がし、2日目、3日目と7日目の皮膚反応を国際接触皮膚炎学会の基準に従って判定する。
液体あるいはペースト状の試薬を適量テープに付け、背中または腕に2日間貼る。
2日後、テープを剥がし、2日目、3日目と7日目の皮膚反応を国際接触皮膚炎学会の基準に従って判定する。
掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)症例
掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)症例
ニッケル(Ni)メッキされたネックレスによるアレルギー
ジーンズのボタンとバックルに含まれているニッケル(Ni)によるアレルギー
右の写真では、ニッケル(Ni)の試薬である4番と5番に強い陽性反応を認める(パッチテスト7日後)
【治療前】
【治療後】
砂場の砂に含まれる金属が原因のアレルギー(上)
砂遊びをやめて治癒した(下)
【歯科治療によるアレルギー症例】
口腔内に装着された金銀パラジウム合金が原因で生じた脱毛症(左)
口腔内の金属の除去により治癒した(右)
【治療前】
パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)の多価アレルギーによる貨幣状湿疹(左)で、初診時(右)口腔内にも多種類の金属補綴物が認められた。
【治療後】
メタルフリーでの修復後(右)、皮膚疾患は完全治癒している(左)。
(※東京医科歯科大学付属病院歯科アレルギー外来調査データより)
元素別パッチテスト陽性患者数
1998年から2002年は水銀(Hg)が最も多かったが2003年から2005年は
ニッケル(Ni)が最も多くなったまた近年では、パラジウム(Pd)に対しての陽性値も高くなっている。
「歯科治療を受けてから、体調がどうもすぐれない」
「もともと治りにくい口内炎や皮膚トラブルがある」
「ネックレスや指輪などの金属製品でかぶれやすい」
こんな症状でお悩みの方はいらっしゃいませんか?ある金属が肌に触れることで、症状を発症する金属アレルギー。近年、お口の中に装着している義歯や詰め物など、歯科で使用される金属が原因となり、顔・全身にアレルギー症状を発症する方が増えています。
当院では歯科アレルギー外来を開設。東京医科歯科大学歯学部附属病院にある歯科アレルギー外来の臨床教授である院長を中心に、精度の高い治療をおこなっています。もしこのページをご覧になり、歯科アレルギーが疑われる場合、一度当院までご相談いただくことをお勧めします。
東京医科歯科大学歯学部附属病院
歯科アレルギー外来の年度別受診患者数(男・女別)
※東京医科歯科大学歯学部附属病院 歯科アレルギー外来データより
金属アレルギーにより引き起こされる疾患とは?
どのような物が金属アレルギーを起こしやすいのですか?
症状が出れば歯科金属が原因でしょうか?
どのように治療するのですか?
インプラントは金属アレルギーにはならないのですか?
治療の流れについて教えてください
金属アレルギー発症の因子
金属アレルギーと誤解されやすい例
当院ではアレルギー外来を開設して以来、全身のさまざまな疾患を抱えている患者さんが金属アレルギーを疑い来院しています。ここでは、歯科材料、特に歯科金属によるアレルギーが引き起こす代表的な疾患を紹介します。
ここで知っておいていただきたいのは、歯科治療による金属アレルギー疾患は口の中ばかりではないということ。アトピー性皮膚炎など、顔や身体など直接金属が触れていない部位に症状が出ることもあるのです。
顔面・口の中に起こる症状
口内炎、歯肉炎、口唇炎(こうしんえん)、舌炎、口腔扁平苔癬(こうくうへんぺいたいせん:口腔粘膜における慢性の角化異常を伴う病変のひとつ)など
全身の症状
アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、扁平苔癬、皮膚そう痒症、ステロイド皮膚症、脱毛症、掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう:手のひら・足の裏、あるいはその近辺にできる小さな水疱)など
現在、金属アレルギー発症の因子は、ネックレス、ピアスなどのほかに、ヘアピン、髪飾り、眼鏡フレーム、化粧品などがあげられます。
これらの品物には、水銀、ニッケル、クロム、コバルト、パラジウムなどアレルゲン(アレルギーを引き起こす原因となるもの)が含まれており、全身のアレルギー疾患を引き起こす可能性があります。
特に近年増加しているのが、各種歯科金属によるアレルギー疾患です。金属の詰め物・被せ物・入れ歯には、アレルゲンとなりうる金属が使用されています。
多種多様の合金で作った詰め物、被せ物を装着していると、歯科金属に含まれる金属が溶け出し、口内炎や歯肉炎はもちろん、アトピー性皮膚炎や口腔扁平苔癬(こうくうへんぺいたいせん)などの全身の症状があらわれてくるケースがあります。
金属アレルギーとひとくちにいっても、私たちの身のまわりには、いろいろな種類の金属があります。どの種類の金属が患者さんの体質に合わないかを正しく調べることが大切です。
パッチテスト
お口の中の金属にアレルギーがあるかないかを調べるために、歯科用金属をすべて網羅した、歯科用金属シリーズパッチテストを用いて、パッチテストをおこないます。
ちなみに、このパッチテストは、東京医科歯科大学附属病院歯科アレルギー外来で実施しているものと全く同じ検査です。
口腔内金属成分検査分析
パッチテストでアレルギーのある金属元素が判明すると、それがお口の中にあるのかを調べる検査をおこないます。お口の中の金属は外さずにそのまま検査が可能な方法でおこないます。具体的には、タービンを使って金属の表面を擦(なす)り、金属粉末を採取して分析します。
アレルゲン除去
分析の結果、アレルゲンが口の中の歯科金属に含んでいると判明した場合、これらを除去する必要があります。具体的には詰め物・被せ物・入れ歯などを、アレルゲンフリーの材料(セラミックやプラスチック)への交換治療をおこないます。
<アレルゲンフリーの材料>
オールセラミックス
白く透明感のあるセラミックス(陶器)を使用した被せ物です。内部に金属を一切使用していないため、歯を自然な色合いにしていきます。長く使用しても変色することもありません。
歯周病などで歯肉が下がっても、差し歯独特の黒いすじが見えないといった特徴もあります。近年では人工ダイアモンドである「ジルコニア」を使用した高い強度を持ったオールセラミックが注目されています。
ノンクラスプデンチャー
金属のバネ(クラスプ)を使わず、装着していても人目につきません。また、弾性と強度があるので、装着感が少なく、壊れにくいといった特徴もあります。
検査
普段から皮膚の弱い方、口内炎のできやすい方、金属を使用する歯科治療に心配のある方など、ケースに応じて全身のコンディションと共にきめ細かく検査をおこないます。
パッチテスト
検査薬を浸した絆創膏を皮膚に貼り、患者さんそれぞれの体質に合わない種類の金属を見つける検査です。歯科用金属のほかにも、歯科用レジンやセメント材といった様々な材料の検査ができます。
診断
パッチテスト、特殊な問診、レントゲン検査、口腔内診査などをもとに、金属アレルギーの診断をいたします。
修復治療・交換治療
お口の中の金属成分分析検査で、体質に合わない種類の金属がお口の中に発見されたときは、体質に合った材料に置き換えることが望まれます。
アフターケア
通常の歯科治療と同じく、金属アレルギーの治療もアフターケアがとても大切です。アレルギー症状は、全身のコンディションにより大きく左右されます。患者さんご自身も日常の健康維持にご留意いただくと共に、必ず定期健診をお受けください。
他の疾患
歯周病や歯性感染病巣
他のアレルギー
香料、食品、化粧品等
他の歯科材料アレルギー
ホルマリン、レジン、ユージノール
機械的刺激
義歯性口内炎、修復物の鋭縁